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カナダの幼児教育:多様なプログラムとその魅力

2024年09月2日 | コラム

カナダの幼児教育は日本のそれとどう違うのでしょうか?この記事では、カナダの一般的な幼児教育の種類とそれぞれの特徴や魅力をご紹介していきます!

幼児教育 Early Childhood Educationとは、0-5歳の就学前の子ども達が受ける教育のことで、カナダでは次のようなものを全てまとめて幼児教育機関といいます:

保育園

プリスクール

幼稚園※ など

幼稚園は就学前の1年に限って、Elementary Education(初等教育)と呼ばれることもあります。

教育・医療・福祉は州の管轄なので、幼児教育の種類は州によって呼び名が違う場合もあります。ですのでこの記事では主にブリティッシュコロンビア州、アルバータ州のものを紹介していきます。

幼児教育を担う政府機関

未就学の子どもを預かる場合、原則として州の法律に従わなければなりません。

その幼児教育を担う政府機関は州ごとに下記のようなものがあります:

ブリティッシュコロンビア州:Ministry of Education and Childcare(教育・子ども省)

アルバータ州:Ministry of Children and Family Services(子ども・家庭省)

オンタリオ州サスカチュワン州:Ministry of Education(教育省)

マニトバ州:Department of Family Services(家庭福祉部)

保育園やプリスクールなどプログラムの形態に関わらず、各州内にある一つの省に担われています。

幼児教育・保育の種類

州や都市によって様々なプログラムがありますが、どれも幼児教育の一環なので、内容は実際のところ似ていることが多いのも事実です。ですので、呼び方の違いは主に免許や許可書の違い、補助金の有無にあります。どのかたちでも基本的には入園の際にフルタイム(週5日)かパートタイム(月・水・金のみ等)かの希望を出して、スケジュールに沿って子どもを預けます。

対象年齢最大人数開園時間認可/補助金特徴
デイケア0-5歳0-2歳:8-12/クラス
3-5歳:25人/クラス
6:00~18:00
年中開園
認可/補助金有・開園時間が長く、年中開園しているので共働き家庭向き
・自由遊びが多い
・園によっては就学前の転園が不要
・多くの子ども達や家族と出会うことができる

プリスクール3-5歳20人9:00~11:00
9月から6月
認可/補助金有・2-4時間の短時間
・週2日から5日のプログラム
・教育重視の園も有り
・自由遊びが少ない

ハイブリッド3-5歳20-25人園のプログラムによる認可/補助金有・共働きしながらでもデイケアとプリスクール両方の恩恵を受けられる
・この形をとる園はほかに比べ少ない
インホーム0-12歳8人6:00~18:00
年中開園
認可/補助金有・小規模なので柔軟性がある
・提供されるプログラムが先生によってはとてもユニーク
・住宅街にあることが多いので、立地が良い
・先生の病欠などで急に休園してしまう場合あり
ドロップイン0-5歳園により異なる園により異なる認可/場合による・不定期でケアが必要な場合に便利
・園に空きがある場合しか預けられない
無認可0-12歳自分の子ども以外の子ども2人6:00~18:00
年中開園
認可外/補助金無・柔軟性がある
・無認可なので質や取り組みがわかりにくい
※州により異なるため、BC州で一般的なものを参考にしています。

デイケア Daycare 【認可】

デイケアはおそらく一番一般的な幼児教育のかたちです。園専用の建物、もしくはその一部で幼児教育を提供しています。開園時間が長いところが多く、共働きのご家庭はデイケアを使っている方が多いです。

教室は0‐2歳もしくは3‐5歳の子ども達が同じ場で過ごすミックスエイジ(Mixed Age)の園もあれば、年齢ごとにクラス分けされている園もあります。子ども達が園で過ごす時間が長いので、午前中にアートやなどのプログラムを行い、早朝や夕方は自由遊びをする園が多いです。

なかには、美術や音楽などの専門の先生を外部から呼んでいる園も多くあります。親御さんの仕事の都合に合わせながらでもこのような機会がお子さんにあげられるのはとても魅力です。

デイケアのスタッフは幼児教育者免許(Early Childhood Educator License)保持者です。

プリスクール Preschool 【認可】

プリスクールは3‐5歳の子ども達向けに、週に2日から5日ほど、2‐4時間ほど提供されるプログラムです。

デイケアに比べ自由遊びの時間が短く、文字や数字を習ったり、ヨガや外国語、美術の時間が組み込まれていたり、教育を重視する園が多いです。

登園時間が数時間のみなので、親御さんや親戚の方など、日中にお迎えに来れる大人が必要です。デイケアと同じように、(住宅内ではない)専用の建物や部屋で提供されています。

プリスクールのスタッフも幼児教育者免許(Early Childhood Educator License)保持者です。

Daycare×Preschoolのハイブリッド 【認可】

ご家庭の希望によって下のようなかたちで登園する子どもたちもいます。

・デイケアとプリスクール両方を提供している園に入園して、プリスクールの時間だけそちらのプログラムに参加する

・プリスクールの要素を兼ね合わせたデイケアに入園する

In-home Child Care(BC州)・Dayhome(アルバータ州)・Home Child Care(オンタリオ州)【認可】

州によって最大6-8人の子ども達を預かるケアのことで、自宅の一部を子ども達用のお部屋にして運営されています

学童の目的と合わせられるので、登下校前後の12歳までの子ども達を預かることもできますが、年齢と人数の制限が厳しく決められています。他と比べて小規模なので、家庭のニーズに柔軟に対応できることが特長です。

BC州とアルバータ州では幼児教育免許が必要ですが、オンタリオではエージェントを通していれば免許は不要です。

ドロップイン Drop-In

不定期に働いている親御さんのために、園に空きがある場合に限って、数時間や1日ごとに子どもを預かっている園もあります。デイケアやIn-home Child Careに多く、プリスクールはドロップインを受け入れていない園が多いです。

無認可ケア Unlicensed Child Care 【認可外】

Unlicensed(免許なし)のケアは、州によりますが、自分の子どもを含めて最大2~5人の子どもを預かっている場所のことで、育休等で休職中の親御さんが、友人や近所の子どもを預かる場合などがこれにあたります。

認可外ですので補助金の対象にはならず、認可外ということを親御さんに伝えなければいけません。また、州で決められた人数以上の子どもを預かるのは違法です。

まとめ

カナダの幼児教育は、規模から開園時間、プログラムも様々なものがあります。それぞれに特徴があるので、それぞれのご家庭がニーズに沿って幼児教育の場を選んでいると思います。上記以外にも、カナダの幼児教育の種類には市や町が運営している親御さん参加型のものや、夜間預かり等もありますが、この記事では、カナダで最もメジャーな幼児教育のかたちをご紹介しました。

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