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海外未経験者がカナダで保育士就職→永住権を取得するまで

2024年09月11日 | コラム

こんにちは、All for Kidsのはるかです。

この記事では、海外未経験の私がカナダで保育士として永住するまでについて書いていきます!

自分が4歳の頃の記憶といえば、家の前の公園で、シャツも着ずに木登りをしていたこと。母によると、動物園に行った際、さる山で「帰らない!!!」と泣き叫んでいたこともあったようで、さるっ気の強い幼少期だったようです(笑)

年中さんから幼稚園に通いだし、毎日行くのを楽しみにしていました。特に年長さんの時の担任だった先生がおもしろくて優しかったのを今でも覚えています。今思い出せる記憶が少なくても、お友達との仲直りの仕方や楽しい遊びを教えてくれたり、自分が成長する過程で、大切なことをたくさん教えてくれた幼稚園だったと思っています。

そんなこんなで私は幼稚園を卒園し、小・中学校も終え、高校は小さな頃から好きだった英語を学ぶために、いわゆる英語科に進学しました。

ただ、それまでに留学経験は全くなく、旅行などで海外に行ったことすらなかったので、海外への強い憧れがありました。

一般大学に進むことを長い間考えていましたが、自分のしたいこともわからず、特に行きたい大学も見つからず、ずっと進路に悩んでいました。

やはり海外でもっと語学を学びたいという気持ちが強く、子どもも好きだったので、英語を勉強しつつ資格も取れるという理由でカナダの専門学校に保育留学をすることを決めました。この時点で幼児教育や保育の知識はほぼゼロでした。

英語をじっくり学ぶために、私はバンクーバーから少し離れた、当時は外国人は数えるほどしかいないような町の専門学校へ、2014年に入学しました。もちろんクラスの留学生は私ひとり。地元で生まれ育ち、英語を母国語とするクラスメイトとの温度差を確実に感じました。

会話やディスカッションのスピードが超特急で全くついていけない...先生が課題を出し、クラスメイトが静かに取り組むなかひとり手をあげ、「今、何をすればいいかもう一度ゆっくり教えてください」と申し出る私。どん底に落とされた気分でした。

専門学校に行く前に2ヵ月ほどバンクーバーで通っていた語学学校で、多国籍の友人がたくさんでき、英語ができると思い込んでいたこともあって、どん底のさらに奥深くに突き落とされたような気分でした。

休学をしようか、バンクーバーのキャンパスに編入しようか...学校が始まってからそんなことが何度も頭を過りましたが、とても温かいホストファミリーに恵まれていたこと、キャンパスを変えると卒業までの期間も費用も多くかかってしまうこともあり、結局もう少し頑張り続けることを決めました。

1年のプログラムを受講しましたが、授業や宿題、学校生活に慣れるのには半年ほどかかりました。教科書の予習→登校→下校してわからなかった単語を調べたり宿題・復習を繰り返すという日々を半年続けた頃にやっと余裕が出てきたかなという感じです。

クラスメイト2人がチョークアートに取り組んでいる様子

小さなクラスだったので、クラスの皆で一緒に何かすることも多く、優しいクラスメイト達がどこに行くにも毎回誘ってくれました。特にとても良くしてくれた友達が居て、その子とは週末に課題に取り組んだり、カナダのことをたくさん教えてもらったり...あの時の恩は一生忘れません。

今までマジョリティーとして日本で生まれ育った私が、他国で、他言語でマイノリティーとして過ごした経験は、保育士になってから他国出身のご家族を迎える時にとても役に立ったと思っています。日本だけにいてはわからなかったことをたくさん経験できました。

そんなこんなで、語学面での苦労は測りきれないほどありましたが、学校の授業内容は興味深いものばかりで、また、保育士になってから使える実用的なものも多かったので、就職時に特に助かりました。

大変だった専門学校も、先生やクラスメイトの助けのおかげで無事に卒業することができた2015年。しかし、現地で就職したい留学生として誰しも避けることができないのがビザ問題。当時は私立のPGWP(通称ポスグラ)についてのルールが厳しくなっていた頃で、拒否されれば拒否権がついてその後のビザ申請で不利になるので、いちかばちかで申請し、日本でビザの結果を待ちました。

2ヵ月ほど経って幸いビザ発行許可が出たので、それを持ってカナダに再入国しました。ここで拒否されれば、他国に行くことも考えていたので、許可された時は、カナダとの縁を感じました。

※10年ほど前のお話です。ビザについての詳しいアドバイスはカナダ移民局のウェブサイトをご覧になるか、公認移民コンサルタントにご相談ください。

ポスグラの後はワーキングホリデーを申請し、卒業後計2年さまざまな園で勤務しました。

色んな園を見たかったということもあり、PGWPとワーホリのオープンワークパーミット(どこでも働けるビザ)を持っている間は、クリスチャンの保育園や、一時的な里親と暮らしている子どもたちが多い園、レッジョエミリアというイタリア発祥の教育アプローチをとる園など、様々な場所で勤務しました。日本と比べて小規模施設が多いこともあり、それぞれの色が出やすいので、自分がどんなところに向いているのかを考える際に、複数園での経験はとても役立ちました。

森を歩いている子どもたちの後ろ姿

日本から来る保育士の方々には、もし可能であれば、興味をそそる園があれば積極的に連絡をして、始めはボランティアなりパートタイムで見させてもらうことを強くオススメします!カナダの様々な幼児教育のかたちはこちらでお読みできます。

ワーホリが終わる半年前頃に、当時働いていたレッジョエミリアのアプローチを取り入れていた園でビザのサポートをしてもらえることになり、移民コンサルタントにお願いをして代理申請をしてもらいました。当時は今よりも深刻な保育士不足だったため、申請はスムーズに進み、無事雇用主が指定された就労許可証が発行されます。

私はもともと、カナダで保育士免許を取ってから、数年働いて他国に引越すつもりでいました。でも、カナダの多様性溢れるインクルーシブな社会がとても過ごしやすく、そしてその頃には既に、学べば学ぶほど深い幼児教育に魅了されて、カナダで永住権を取ることに決めました。

PGWP→ワーホリビザ→クローズドビザ(LMIA)とビザの種類を一年ごとに変えながら、3年目に入った頃には永住権取得が手に届くほどに近づいていました。英語の試験に向けて勉強し必要なスコアを取ってしまえば、あとは申請して永住権申請の招待を待つという、割と単純なものでした。苦労しまくった学生時代に比べれば、ビザの申請や英語の勉強は苦痛ではなかったです(笑) 申請期間が長かったことを除けば、他は幸いスムーズに進み、2018年に無事永住権を取得しました。

今回はここまで。また今度、永住権取得~現在までをお書きしますね。

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